全銀フォーマットとは?
最終更新: 2026年9月18日 / 執筆: ここ企画(全銀ポン開発チーム)
全銀フォーマットは、振込の一覧を銀行に渡すための共通ファイル形式です。全国銀行協会(全銀協)が定めたもので、1行がちょうど120バイトの固定長テキストになっています。「全銀協規定フォーマット」「FBデータ」「全銀形式」「振込データファイル」は、どれも同じものを指します。
メガバンク・地方銀行・信用金庫・ネット銀行など、法人向けネットバンキングの「振込データ取込(ファイル受付)」は、ほぼすべてこの形式に対応しています。
1. どんなときに使うか
振込先が数件ならネットバンキングの画面に手で入力できますが、給与や取引先への支払いのように毎月何十件もあると、入力の手間と打ち間違いが問題になります。そこで、振込先と金額を1つのファイルにまとめて銀行に渡す方法が用意されています。そのファイルの書き方を決めたものが全銀フォーマットです。
| 種類 | 種別コード | 用途 |
|---|---|---|
| 総合振込 | 21 | 取引先への支払い、経費の精算など |
| 給与振込 | 11 | 従業員への毎月の給与 |
| 賞与振込 | 12 | 従業員へのボーナス |
公務員の給与・賞与には 71・72 という別の種別コードが使われます。口座振替(引落)にも全銀フォーマットがありますが、項目が異なります。このページでは振込(総合・給与・賞与)を扱います。
2. ファイルの全体像(4種類のレコード)
ファイルは次の4種類の行(レコード)でできています。どの行も120バイトで、先頭の1桁(データ区分)で種類を見分けます。
| 順番 | レコード | データ区分 | 行数 | 中身 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ヘッダーレコード | 1 | 1行 | 振込元(自社)の情報と振込指定日 |
| 2 | データレコード | 2 | 振込の件数分 | 振込先の口座・名義・金額 |
| 3 | トレーラレコード | 8 | 1行 | 合計件数と合計金額 |
| 4 | エンドレコード | 9 | 1行 | ファイルの終わりの印 |
実際のファイルは次のように見えます(給与振込・2件の例。右側の空白は省略)。
11101234567890カ)ココキカク 09250005 001 11234567 20005 001 11234567ヤマダ タロウ 0000285600000000000010000000010 20009 123 17654321サトウ ハナコ 0000243100000000000020000000010 8000002000000528700 9
3. ヘッダーレコードの桁数
| 項目 | 桁数 | 型 | 内容 |
|---|---|---|---|
| データ区分 | 1 | 数字 | 1 |
| 種別コード | 2 | 数字 | 21総合 / 11給与 / 12賞与 |
| コード区分 | 1 | 数字 | 0=JIS(パソコンで作る場合はこれ)/ 1=EBCDIC |
| 振込依頼人コード | 10 | 数字 | 銀行から通知される番号。「委託者コード」「企業コード」とも |
| 振込依頼人名 | 40 | 文字 | 半角カナ |
| 振込指定日 | 4 | 数字 | 月日(MMDD)。例: 9月25日 → 0925 |
| 仕向銀行番号 | 4 | 数字 | 振込元の銀行コード |
| 仕向銀行名 | 15 | 文字 | 半角カナ。空白でも可 |
| 仕向支店番号 | 3 | 数字 | 振込元の支店コード |
| 仕向支店名 | 15 | 文字 | 半角カナ。空白でも可 |
| 預金種目 | 1 | 数字 | 1普通 / 2当座 |
| 口座番号 | 7 | 数字 | 振込元の口座番号 |
| ダミー | 17 | 文字 | 空白 |
| 合計 | 120 |
4. データレコードの桁数
振込1件につき1行です。後半の項目は、総合振込と給与・賞与振込で意味が変わります。
| 項目 | 桁数 | 型 | 総合振込(21) | 給与・賞与振込(11・12) |
|---|---|---|---|---|
| データ区分 | 1 | 数字 | 2 | |
| 被仕向銀行番号 | 4 | 数字 | 振込先の銀行コード | |
| 被仕向銀行名 | 15 | 文字 | 半角カナ。空白でも可 | |
| 被仕向支店番号 | 3 | 数字 | 振込先の支店コード | |
| 被仕向支店名 | 15 | 文字 | 半角カナ。空白でも可 | |
| 手形交換所番号 | 4 | 数字 | 使わない(空白) | |
| 預金種目 | 1 | 数字 | 1普通 2当座 4貯蓄 9その他 | 1普通 2当座 のみ |
| 口座番号 | 7 | 数字 | 7桁に満たなければ先頭に0 | |
| 受取人名 | 30 | 文字 | 半角カナ。口座名義と一致させる | |
| 振込金額 | 10 | 数字 | 円単位。先頭に0 | |
| 新規コード | 1 | 数字 | 0その他 / 1第1回振込分 / 2変更分 | |
| 顧客コード1 / 社員番号 | 10 | 数字 | 顧客コード1(自由に使える) | 社員番号 |
| 顧客コード2 / 所属コード | 10 | 数字 | 顧客コード2(自由に使える) | 所属コード |
| 振込指定区分 | 1 | 数字 | 7電信 / 8文書 | ダミー 9桁(空白) |
| 識別表示 | 1 | 文字 | Y=EDI情報あり / 空白 | |
| ダミー | 7 | 文字 | 空白 | |
| 合計 | 120 | |||
5. トレーラレコードとエンドレコード
| レコード | 項目 | 桁数 | 内容 |
|---|---|---|---|
| トレーラ | データ区分 | 1 | 8 |
| 合計件数 | 6 | データレコードの行数。先頭に0 | |
| 合計金額 | 12 | 振込金額の合計。先頭に0 | |
| ダミー | 101 | 空白 | |
| エンド | データ区分 | 1 | 9 |
| ダミー | 119 | 空白 |
トレーラの合計件数・合計金額がデータレコードと合わないと、銀行側でエラーになります。行を手で消したり足したりしたときに起きやすい間違いです。
6. 使える文字・使えない文字
| 使える | 数字 0-9、英大文字 A-Z、半角カナ(ア〜ン、濁点 ゙、半濁点 ゚)、空白、記号 ( ) - . / ¥ 「 」 |
|---|---|
| 使えない | 漢字、ひらがな、全角カナ、全角英数、英小文字、中点「・」、長音の全角「ー」 |
- 濁点は1文字として数えます。「ダ」は
タどの2文字です。受取人名の30桁はこの数え方での30文字です。 - 小さい「ャュョッ」は大きい文字で書くのが銀行の慣例です(例: キャノン →
キヤノン)。口座名義もこの形で登録されていることが多くあります。 - 法人名は略語にします。先頭の「株式会社」は
カ)、末尾なら(カ、途中なら(カ)です。ほかの略語は法人略語の一覧にまとめています。 - 文字コードは JIS X 0201(Shift_JIS の1バイト部分)です。UTF-8 で保存すると半角カナが3バイトになり、120バイトに収まらなくなります。
名義を1件ずつ確かめたいときは、口座名義のカナ変換ツールで、使えない文字が残っていないかを調べられます。
7. 数字と文字の埋め方のルール
| 型 | 詰め方 | 余りの埋め方 | 例(7桁の口座番号に 12345) |
|---|---|---|---|
| 数字項目 | 右詰め | 先頭を 0 で埋める | 0012345 |
| 文字項目 | 左詰め | 後ろを空白で埋める | ヤマダ タロウ + 空白21個(計30桁) |
Excelで銀行コード「0005」が「5」になってしまっていても、4桁になるよう先頭に0を足せば同じ意味です。
8. 取込エラーのよくある原因
| 銀行の画面のメッセージ例 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| レコード長が不正/フォーマットエラー | 1行が120バイトでない。UTF-8で保存した、Excelで開いて保存し直した、改行の指定が違う | 文字コードをJIS(Shift_JIS)にする。改行の有無を銀行の指定に合わせる |
| 依頼人コードが一致しない | ヘッダーの振込依頼人コードが、ネットバンキングの登録と違う | 銀行の「企業情報」「委託者情報」の画面で10桁の番号を確認する |
| 使用できない文字が含まれる | 受取人名に漢字・全角・小文字・「・」がある | 半角カナに直す。中点は . にするか取り除く |
| 金融機関・支店が存在しない | コードの打ち間違い、または統廃合でコードが変わった | 銀行コード検索で確認する |
| 合計件数・合計金額の不一致 | データ行を手で増減した | トレーラレコードを計算し直す(作り直すのが確実) |
| 振込指定日が不正 | 土日祝・年末年始、または受付の締めを過ぎた日付 | 銀行営業日を指定する。締め時刻は銀行ごとに異なる |
改行については、各行の末尾に CR+LF を付ける銀行が多数派ですが、「改行なしで120バイトを連続させる」指定の金融機関もあります。拡張子(.txt / .dat など)の指定がある場合もあります。
9. Excelから作る3つの方法
| 方法 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 変換ツールを使う | いまのExcelをそのまま使いたい人 | 全銀ポンは、列の並びや見出しが違う表でもそのまま読み込めます。20件までは登録なしで無料です |
| 銀行が配っているExcelマクロを使う | その銀行だけを使い、決まった雛形に入力し直せる人 | Windows版Excelが必要なものが多い。マクロの実行を許可する必要がある |
| 会計・給与ソフトから出力する | すでにクラウド会計や給与ソフトを使っている人 | ソフトに振込先を登録しておく必要がある |
10. 用語集
- FBデータ
- ファームバンキング(企業と銀行のあいだのデータ通信)で使うデータのこと。実務では全銀フォーマットの振込ファイルを指して使われます。
- 振込依頼人コード(委託者コード・企業コード)
- 法人ネットバンキングの契約時に銀行が割り当てる10桁の番号。ヘッダーレコードに入れます。
- 仕向(しむけ)/被仕向(ひしむけ)
- 仕向は振込を出す側(自社の銀行)、被仕向は受け取る側(振込先の銀行)です。
- 総合振込と給与振込の違い
- 給与振込は手数料が安く設定されていることが多い代わりに、銀行と給与振込の契約が必要で、振込先は普通・当座口座に限られます。
- 電信と文書
- 振込指定区分のこと。現在はほぼすべて電信(
7)です。 - 全銀EDIシステム(ZEDI)
- 振込に請求書番号などの詳しい情報をXML形式で添えられる仕組み。固定長の全銀フォーマットとは別のもので、ネットバンキングのファイル取込では今も固定長が広く使われています。
このページは、全国銀行協会が公開している規定フォーマットの内容をもとに、全銀ポンの開発で実際に確かめたことを加えてまとめたものです。銀行ごとの細かな指定は、ご利用の金融機関の案内を優先してください。誤りにお気づきの場合はお問い合わせからお知らせください。